
不採用になったり断られたときに、落ち込まない方法
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ワンランク上にシンカするための一歩ブログ
今から30年ほど前、大学を卒業してNTT(日本電信電話株式会社)に入社した私は、出世願望を強く持っていました。
そこで、成功するためのマインドや行動を学ぼうと、当時のビジネス界のカリスマであった竹村健一さんや船井幸雄さんなどの本をよく読んでいました。
そんな中、ある本に出会いました。
その中で紹介されていた「木鶏(もっけい)」の話に、私はとても大きな衝撃を受けました。
「木鶏」とは 中国の思想家・荘子が記した書の中に出てくる話のひとつです。昭和の名横綱・双葉山関、現横綱・白鵬関の逸話でご存じの方もいるかもしれません。
それはこんな内容です。
昔、中国に紀悄子(きせいし)という闘鶏飼いの名人がいた。
ある日、王から一羽の闘鶏の訓練を託された。
十日ほど経ってから、王が様子を尋ねた。
「どうだ、もうそろそろ使えるのではないか?」
すると紀悄子は答えた。
「まだまだでございます。今は虚勢を張っていきり立っています」
それから十日経って、また王が尋ねると、
「いや、まだでございます。他の鶏を見たり鳴き声を聞くと気になって落ち着かなくなります」
と答えた。
さらに十日経って王が尋ねると、
「まだでございます。他の鶏を見ると敵対心が湧いてきます」
と答えた。
そして十日経ち、また王が尋ねると、いよいよこう答えた。
「もうよろしいでしょう。他の鶏がいくら鳴いても挑んできても、一向に動ずる気配もなく、まるで木彫りの鶏のように見えます。これこそ徳が充実した証拠です。こうなればどんな鶏も敵ではありません。姿を見ただけで逃げ出してしまうでしょう」
この話を読んで、
「今の俺は成功したい気持ちが空回りしていて地に足がついていない。これではダメだ」
と思い知らされました。
そして、木鶏のようになりたいと思い、それ以来、「木鶏」は座右の銘となりました。
とは言え、肝心な「どうすれば木鶏の境地になれるか?」については何も書かれていません。
大横綱でさえ、なかなか木鶏の境地に到達できないと言っているのですから、若造の私にわかるはずもありません。
どうすればいいか分からないまま、私は就職しても相変わらず成功願望を強く持ち続けながら、自分を高める努力をしたりライバルに嫉妬したりしつつ頑張っていました。
その後、28歳で仙台に戻り、父の経営するスポーツクラブ に入社して、やがて経営を任されます。
社長になると、それまでとはレベルの違う精神的にしんどい問題が次々と生じることになります。それでも、なんとかしのぎながらやってきましたが、ついに音をあげたくなるほど行き詰まってしまったときがありました。
そこで出会ったのが心理カウンセリングです。
カウンセリングを通して人間心理を学び、自分自身の問題に向き合い、考え方や行動を変え、経営者としての人間性を高めていく取り組みを繰り返すことで、問題が生じても安定した気持ちを維持して対処できるようになりました。
そして、あるとき、ふと気づきます。
「この心理カウンセリングの取り組みこそ、木鶏になる方法だ」と。
「木鶏」の話の中で語られている精神的に未熟な状態、すなわち、「虚勢を張る」「ライバルが気になる」「ライバルに敵対心を持つ」といったものは、心理カウンセリングで用いられる心理療法の理論や技法を使うことで克服できるとわかったのです。
これらは、自分自身の心の中で何が起きてるのかを理解し、その心理的要因を解消することによって克服できます。
もちろん、こういったことだけでなく、さまざまなメンタル問題も克服可能です。
「じゃあ、心理療法を学べばいいのか!」と思われるかもしれませんが、そう簡単な話ではありません。
思い出していただきたいのですが、「木鶏」の話には闘鶏飼いの名人が登場します。
王様の闘鶏は、この名人がいなければ「木鶏」にはならなかったのです。
先ほど、どうすれば木鶏の境地になれるかについては何も書かれていないと述べましたが、実は書かれていたんですね。
そう、その道のプロに指導を受ければいい、ということは示されていたのです。
これをお読みの皆様も、ご自身が人間的に成長するために最適な指導者・先生をぜひ見つけていただければいいのかな、と思います。
ビジネスでの成功のカギもきっとそこにあると思うのです。
ちなみに私の場合は、ある方から心理カウンセラーの先生をご紹介いただいたことで人生が変わりました。
その先生は日本では指折りの心理臨床家で、私は18年前から今もなお指導を受け続けています。
「木鶏」へと続く道には終わりはありません。
生きていると、いろいろな問題が次から次へと生じます。
しかも、自分が人間的に成長すればするほど、より難易度の高い問題がやってきます。
まるで、「もっともっと高見をめざしなさい」と天から試されているかのようです。
私は、スポーツクラブの経営を拡大させてきた一方で、私自身がカウンセラーとなって多くの方の心理サポートをしてきた他、心理療法について学んだことを19冊の著書として発表したり、講演をしたり、雑誌や新聞に記事を書いたり、大学の非常勤講師として教壇に立ったり、プロフットサルチームのメンタルトレーニングをしたり、といった活動を17年間に渡って行ってきました。
そして今、その集大成として、自分自身の心理的問題の解消方法を体系的に学べるプログラムをスタートしました。
私自身、自己研鑽の必要性をまだまだ痛いほど自覚していますが、それでも、18年前の私のように「もっと人間的に成長したい」「経営者としての器を大きくしたい」と強く思われている方にとっては、私の18年間の学びと実践の体験と成果は十分にお役立ていただけるものと思います。
私のプログラムに興味を持たれた経営者、企業の管理職、リーダー的役割の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
私と一緒にひとつ上の自分に進化することをめざしてみませんか?