「人間の器」と経営の話

経営の大変さは社長にしかわからない

 会社の経営というのは、とても大変な仕事です。売上や資金繰りのことが常に頭から離れず、日々、社内や社外のさまざまなことに対処し、難しい判断が迫られる場面を何度も乗り越えながら、会社の将来のために、新しい知識を貪欲に学び続ける……。

 トップとしての責任があるとは言え、毎日とても忙しく、ストレスがたまるキツイ仕事です。たまに息抜きをしなければ、とてもじゃないですが、やり続けることはできません。

 私も20年近く中小企業を経営していますが、経営の大変さを身に染みてわかっているつもりです。この大変さは、会社を経営したことのない人には、決してわからないでしょう。

 会社の存続のため、社員や顧客のため、会社のさらなる発展のため、大変な仕事ではありますが、でも、その分、やりがいのある仕事でもあります。

 そんな、前向きで責任感が強く、人生の成功をめざしている経営者の皆様と、ぜひ共有したい話があります。

人間の器が大きい社長と小さい社長

「会社は社長の器で決まる」という言葉があります。 会社を経営するトップの『人間の器』に、その会社の命運がかかっている、という意味です。

『人間の器』の大きさには、さまざまな要素があります。

・度量の広さ
・公明正大さ
・厳しさと優しさ
・潔さ
・意志の強さ
・思慮深さ
・しなやかさ
・慈悲深さ

 こういった高い精神性を持っている人が、「人間の器が大きい人」です。歴史的偉業を成し遂げた人物の多くは、人間の器が大きい、と言われます。

 人間の器が大きい社長は、人間としての魅力に溢れています。人として尊敬でき、深い信頼を寄せることができるので、「この人の言うことなら間違いない」「この人についていこう」という気持ちにさせられます。

 このような社長が率いる会社では、社員のモチベーションは常に高く、互いに協力し合いながら、全員がさらなる高みをめざしてチャレンジするので、会社はどんどん発展していきます。

 それにつられて優秀な社員が入ってくるため、ますます業績が上がって、世の中への貢献度が増していく、という好循環が生じます。

 逆に、人間の器が小さい社長が経営する会社は、社内に協調性が見られず、人間関係がギスギスし、互いに足を引っ張り合い、社長の知らないところでハラスメントが横行し、過剰なストレスにさらされた社員が耐えきれず、潰れていきます。

 社員のモチベーションは低く、生産効率は悪く、顧客対応も低レベルなために、一向に業績が上がりません。

 社員は、社長のことをよく見ています。そして、「社長がああいう人だから、私もこうしよう」と、良くも悪くも、自分なりに受け止めて、行動に移します。このようにして、社長の態度や精神性が、会社の隅々にまで広く深く影響を及ぼす、ということが起きるのです。

 もちろん、トップの器に関係なく、時流に乗ることで、一時的に業績が上がるときもあります。しかし、会社が継続的に高い業績を維持しながら発展していくためには、社長の『人間の器』を大きくすることが、不可欠です。

 特に、中小企業では、社長の影響力は絶大です。だからこそ、「会社は社長の器で決まる」という現実を、社長自身がしっかり自覚しなければなりません。

 要するに、ビジネスを、短期的にではなく長期的に成功させるためには、社長自身の『人間の器』を広げることが、避けては通れない、極めて重要なミッションだということです。

 社長には、やらなければならないこと、学ばなければならないことがたくさんあります。その中でも、『人間の器』を広げることは、優先度の高い重要な課題のひとつであると言えるのではないでしょうか?

どうすれば人間の器を大きくできるのか?

 ところで、あなたは人間の器を大きくする方法を、誰かから教えられたことはありますか?

「器は生来、決ったもの。変えることはできない」
 そうあきらめてはいませんか?

 違うのです。

 あなたも人間としての器を大きくすることができます。その教育方法が知られていなかった、というだけなのです。

「器を大きくするためには、厳しい修行が必要なのでは?」
 確かに、何もせずに、人間の器は大きくなりません。でも、滝に打たれたり、何年も座禅を組んだり、といった修行は必要ありません。

 先ほど、人間の器の大きさとは、度量の広さ、公明正大さ、厳しさと優しさ、潔さ、意志の強さ、思慮深さ、しなやかさ、慈悲深さ、といった高い精神性である、と述べました。

 これらを自分の中で開発するには、まず、自分の現状レベルを把握することが不可欠です。自分の足りないところがわかって初めて、自分のどの部分についてレベルアップする必要性があるかに気づけるからです。

 ですから、人里離れた山の中にこもるのではなく、むしろ、現実社会の中に身を置いて、自分の課題に気づくことが必要です。そうすることによって、自分の『人間の器』を大きくしていくことが、可能となっていきます。

 そこで問題となるのが、どうやって自分の現状レベルを把握すればいいか、そして、それをどうやって大きくしていけばいいか、その方法です。

 私自身、会社を経営する上で、さまざまな困難に直面するたびに、自分の器を大きくしなければと思いながらも、どうしていいか、さっぱりわかりませんでした。

 そうやって、数年間、悩み続けた末に出会ったのが、心理カウンセリングであり、心理カウンセリングで用いられる心理療法です。

 出会った瞬間、いろいろな思いが私の頭の中を駆け巡りました。

「そうか、こう考えればよかったのか!」
「ずっと探し求めていたものが、ようやく見つかった!」
「もっと早く出会えていたらよかったのに……」

 心理カウンセリングとは、ご存じの通り、悩みや苦しみを解消するための取り組みです。

 心理カウンセリングで用いられる心理療法とは、精神分析家のフロイトを始まりとして、世界中でいろいろな形に発展を遂げてきた、心理的問題を解消するための理論と技法の総称です。

 心理療法を使うと、自分が抱える課題が明確になり、それを解消することができます。そのプロセスは、言わば、人としての精神性を高める取り組みであり、まさに、人間の器を大きくする方法だと言えます。

誰でも人間の器を大きくできる

 私は、心理カウンセリングと心理療法に興味を持ち、17年間に渡って研究と実践に携わってきました。人間の器を大きくするために必要となる人間心理の理解、自分自身についての洞察、自分の課題の解消について、著書や講演などでお伝えするとともに、個別カウンセリングを数多く行ってきました。

 こうして培ってきた知見は、きっと、あなたの『人間の器』を大きくするために、必ず役立つものと確信しています。

 人間の器を大きくしたい。そして、素晴らしい社員と共に会社を発展させていきたい。そのように思われる経営者の方のために、私は定期的にワークショップを行っております。また、忙しい経営者のために個別サポート(メンタルトレーニング、カウンセリング、エグゼクティブ・コーチング等)を行っております。よかったらぜひご活用ください。

 もしご縁がありましたら、一緒に人間としての高みをめざしていきましょう。